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「数学って面白くね?すごくね?」


こんにちは.ロッチに入って早半年.ついに私にもコラムニストになる番が回って参りました.
車が好きなので車の話をしようか,全然見たことないプロ野球のことを調べて頭でっかちなことを書こうか.
いろいろ悩みましたが,私の見た目に沿ったまじめでインテリな題目を今回のコラムに上げることにしました.
何について書いていくかというと,ずばり数学.院卒ではないですが,一応理系の学部を卒業した理科系の男の端くれですので…
数学というと,意味の分からない数式と記号によって交わされる呪文のオンパレードという印象を持つ方も多いかと思いますが,
今回は面白い感じの数学や算数のお話を一つ紹介します.

みなさんに問題です.目の前に三つの扉があり,その中の一つにレクサスが入っているとします.もし,3つの扉の内
一つを選んで,その扉を開けたときにレクサスがあれば,そのレクサスはあなたのものですよと言われたらあなたはどの扉を選びますか?
左?いやこういうときは意外と真ん中が…いやいや一番右が選ばれ辛いから主催者は一番右にレクサスを置いているのでは…

これは悩ましい問題ですね.なんたってレクサスが入っているんですから.車好きじゃなくてもレクサスがどういう車か知っているでしょうから,
何が何でも当てたいわけです.さぁどの扉を開けるか心の中で決めてみて下さい.

あなたが選んだ扉の先にレクサスはあるのか…すごく気になりますが,ここでクイズの主催者がこんなことを言ったらあなたはどうするでしょう.
「あなたが扉を一つ選んだところで,私があなたの選んだ扉以外で扉を一つ開けてみますね」
もちろん主催者ですから,レクサスのない扉を一つ開けてくるでしょう.あなたの選んだ扉の先にレクサスが入っているとしたら
残りのどちらかを,あなたの選んだ扉が外れならば,もう一つの外れを開けてくるはずです.

主催者によって開けられた扉はもちろん外れの扉です.ここであなたに最後の選択のチャンスが与えられます.
「今なら,先ほどの選択を変えても良いですよ」

状況を分かりやすく話すと,あなたが選んだ扉と,主催者が残した扉のどちらかにレクサスが入っているのです.
ここで,主催者はさっきの扉の選択を変えても良いですよと言ってきました.あなたならどうするでしょうか?


……
………

さっきは3枚の扉から1枚の扉を選んだけど,今度は2枚から1枚の扉を選ぶのか?
だとしたら,変えても変えなくても当たるのは二つに一つ…だったらどっちでも当たる確率は同じかな?

あなたはどうしますか?私ひちょりでしたら,残りの一つの扉に選択を変えます.
なぜかって?それはそっちの方が当たりの確率が高いからです.
驚くことに,過去の選択を変えると,正解の確率が2倍になるのです.
えっ?なんで?と思う方も多いと思うので,文章で説明します.

まず,あなたの選んだ扉にレクサスが入っていたら,主催者は外れの扉を一つ開けてくれます.
もしここで,あなたが選択を変えていたら負けてしまうわけです.パターン1です.
「変えた方が当たる確率が2倍とか言ってたじゃないか!」
と思った方のためにもう少しご説明いたします.

ではパターン2.あなたの選んだ扉の先にレクサスがなかったとしたら?
主催者は必ずもう一つの外れを開けてくるはずです.
すると,あなたは選択を変えることによってレクサスを手に入れることが出来るわけです.

今2つのパターンが上がりましたが,扉は3つで,不正解にも2パターンありますよね?
先ほどあなたが選んでいた外れが石ころだとしたら,もう一つの外れは木の棒です.
あなたが木の棒を選んでいたとしたら?主催者は石ころの入った扉を開けてくれるはずです.
これがパターン3です.
すると,あなたは選択を変えることによってレクサスを手に入れることが出来るわけです.

気づきましたか?
「あなたは選択を変えることによってレクサスを手に入れることが出来るわけです」
という文面が二度登場していることに.
私は,選択を変えることによって当たる確率が2倍になるとお話ししました.もうお分かりですよね?
選択を変えることで当たる確率が2倍になっているのです.
なにせ,選択を変えて外れるパターンは一つで,選択を変えることによって当たるパターンが2つあるのですから.

直感的には理解できないですが,これは紛れもない事実で当たる確率が2倍になっていることは上の説明から明らかです.
んなわけないだろ?と思った方は,知り合いと10回トランプを使ってこのゲームをしてみて下さい.
選択を変えることによって,6回近く当たりを引けるはずですので.

面白いと思いませんか?自分が選んだ選択を変えることが正解確率を2倍にしてくれるんですよ?
絶対に正解だと思って選んだのに,その選択を捨てることが正解に近づくんです.皆さん納得できますか?

実は,これはモンティホール問題という有名なクイズで,ちょっと数学が好きな人なら既に見知ったお話だと思います.
私がこのお話をコラムにしようと思ったのは,大学時代の勉強した数学で面白いなと感じたお話だったからです.
数学はつまらない,役に立たない,難しくて嫌…そんなイメージを払拭するのに言い題材となるのではと思いました.
(もっと詳しく知りたい方は,ベイズの定理,事前確率,事後確率などをキーワードに調べてみると良いかもしれません)

今回のコラムの題名は「数学って面白くね?すごくね?」としてありますが,面白い数学のお話はモンティホール問題だけではありません.
例えば,0.999…と1が同じ?いやいや1の方が大きいでしょ?
例えば,内角の和が270度の三角形ってあるの?
さらに例えば,フィボナッチ数列のパラドクス.

世の中には,とても面白い数学があふれています.
もし,あなたが数学嫌いだったら,こんな面白い数学のお話を効いてみると少しは数学のことを好きになるかもしれません.

ひちょり
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