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「 熱狂的ファン?!」

少し前になりますが、偶然テレビで『THE 1億分の8』という番組(TBS)を見ました。
その日の内容は、「我こそは熱狂的ファン!」という有名人のファン8人が集まってどれだけ熱狂的かを競い、ゲストパネリストらが【熱狂的ファンNo.1】を決めるというもの。
登場したのは、郷ひろみ、長渕剛、ぺ・ヨンジュン、氷川きよし、叶美香らの熱狂的ファンである8人の一般人。
どれくらい熱狂的だったかというと・・・

氷川きよしファンのおばあちゃんは、自宅を改築して何十枚ものサインや写真を飾る“きよし部屋”を造ったり、孫が新型インフルエンザになってもコンサートに出かけたとか。
(最後はこのおばあちゃんが【No.1】の称号を得ました)

全国のライヴツアーについて回るために給料をすべてつぎ込んで離婚し、さらには自己破産までした長渕剛ファンの男性。
(ボクもライヴには30回以上行ったことあるし、グラブには彼の曲名から『Stay Dream』と刺繍している長渕ファンだけど、この心理は理解できないなぁ)

叶美香ファンの女性は、美香さんと同じ姿に近づくために800万円かけて全身美容整形したとか。
(こわい、こわい)

情報収集のための韓国への電話代やグッズ代に600万円使った、ヨン様ファンの女性などなど。
(他のファンに負けられないという心理が作用するのかな?)

ゲストパネリストのタレントさんたちも、どうコメントしたらいいのか困っている様子でしたね。



ボクも熱中するタイプの人間だけど…
アントニオ猪木、高田繁、西本聖、ジャッキー・チェン、松田優作の大ファンですし。
でもさすがに、番組に出演した彼女(彼)らのファン心理は“痛い”なぁと。

ところが!よく考えたらボクにも“身に憶え”がありました。
アントニオ猪木ファンとしての尋常ではない?行動が。

まず高校時代に修学旅行を休んで、猪木さんの大試合を観に行きました。
(この試合で猪木さんはKO負け!救急車で病院へ運ばれました…)

そしてプロレスのカメラマンを志し、何年か回り道しながらも専門紙カメラマンの職に。
おかげでほとんどの都道府県を出張で巡ることができたうえ、猪木さんの取材で国会議事堂や議員会館に出入りできました。

さらにその後、「直接猪木さんの役に立ちたい」という気持ちで(参議院議員選挙の)選挙活動をお手伝い。
猪木さんを助手席に乗せて選挙カーを運転したときは、「ごく普通の猪木ファンだった自分が、ついにここまで辿り着いた」と。
ただ感慨に浸ったのは一瞬で、睡眠時間3〜4時間で真夏の20日間、関東近郊で選挙カーを運転しっぱなし。
これはもうハッキリと、寿命を削っていることを実感する凄まじい経験でしたね。

夜中の移動では、猪木さんを乗せたクラウンリムジンで東北自動車道を(マー君のストレートぐらいの速度で)ぶっ飛ばしたなんてことも。
この期間、猪木さんのために我が身を削ったことは、ボクの一生の誇りです。

写真:東京ドームでの試合直前、バックステージで精神統一する猪木
 (猪木事務所から「パネルにして」とリクエストされた写真)

結果的にこれで猪木さんのマネージャーさんの信用を得て、その後も度々猪木事務所のお手伝いを頼まれました。

猪木さんの運転手さんがハンドルを握れないときは代打としてベンツS600を走らせたり、格闘技興行では出場選手をリングに招き入れる大役を任されたり。

頼りにされる・・・必要とされる・・・これこそファン冥利につきるというものでしょう。

今回の番組では、つき込んだ金額で熱狂度を推し量るような内容だったけれど、こういうボクのエピソードもなかなか面白いのではないかと。

もしボクが出演していたら、意外とNo.1になっていたかも?


ところでこの番組には、陣内智則や小倉優子と共に高田延彦さんがゲストパネリストとして出演されていましたけど、高田さんといえば少年時代は熱狂的な猪木ファン(まさにボクの兄貴分ですな)。
強い憧れから猪木さんの団体に入門し、猪木さんの付き人になり、見事プロレスラーとしてデビューし、リング上で猪木さんと師弟対決・・・。
遂には、猪木さんの精神を受け継ぎ【格闘技最強】のプロレスラーにまで上り詰めた高田さん。
つまり高田さんは、アントニオ猪木になりたくて、アントニオ猪木そのものといえる存在にまでなったというわけ。

というわけで高田さん、文句無しでアナタが【熱狂的ファンNo.1】だと思いますけどねぇ。


   26 諏訪部 恭一
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