‖ M E N U ‖




「野球は2アウトから」

初コラムです。
この場では気兼ねなく野球ネタを・・。

私は高校時代に野球部のマネージャーを務めていました。
元々野球好きだった私は、なんとなくは甲子園というものに憧れつつも
それとは全く縁のない普通の県立高校に進みました。

練習は平日は16時〜19時頃までだったかな。土日は主に練習試合で朝〜夕と、ごく普通。
大会では、春は県大会出場まで進んだことはあったけど夏はだいたい2回戦あたりで敗退。
真面目にはやってるけど本気で甲子園を目指すチームではありませんでした。

でも昨年の代は違ったみたいです。
そもそも母校への関心も薄れてきててリアルタイムでは知らなかったけど、その代で迎えた
秋の大会では千葉県ベスト4。そして春の選抜では21世紀枠の候補に選ばれたとか。


そして2009年夏、同期の元野球部員から「3回戦突破したよ」と招集がかかり、
久々に見に行ったんです。

4回戦、ベスト16をかけた試合で、対するはその夏優勝候補の東海大望洋!
相手のピッチャーは後に横浜へドラフト4位で入団することとなる眞下くん。

プロも認めた左腕にうちの後輩たちはとても歯が立たず、
9回2死まで安打は1本、0−2で完封負けが目前という絶体絶命の状況まで追い込まれました。

カウント2−3。
しかしここでバッター四球を選び、なんとか次に繋げます。

でも相変わらず続く相手の応援席からの「あと一人」コール。

ランナーを一塁に置いて、バッター四番上條くん登場。
上條くんて知らないけどとりあえず何か起こしてくれることを信じてみる。

2−0と追い込まれ、
そして次の球!!!
ここで奇跡が起きました。
入ったんです!レフトスタンド!!
まさかの同点ホームラン!!!

目を疑うようなほんとに奇跡的な展開。
彼の名前はきっと一生忘れないでしょう。
もうこれで完全にペースはこっちのもの。
延長12回、相手のエラーなどもあってランナー三塁まで進み、スクイズで1点追加。
その裏を守りきり、見事勝利をおさめました。


この時点で私は人生で初めて、八千代東高校の甲子園出場を現実のものとして意識しました。
他の高校より力が勝ってるとは思わないけど、打たれても与える得点は最小限、
攻撃では粘って少ないチャンスを確実にものにする精神力を持つ、すごくいいチームだなって思いました。


彼らはその後の試合も延長戦での逆転劇を繰り広げ、数々の強豪を相手に勝ち進み、
ついに甲子園初出場を決めました。
「戦国千葉」と言われ、毎年上位の高校でもなかなか掴むことの出来ない甲子園への切符。
その快挙をちょっと前まで無名だったはずの高校が奇跡的に達成したのです。
新聞にも「ミラクル」とか「公立の星」とか書かれ、彼らの功績はあらゆる人へ影響を与えたことと思います。
私としては青春を蘇らせてくれたこと、感動をくれたこと、仲間との再会の機会を与えてくれたこと、
選手たちに感謝の気持ちでいっぱいです。
OGとして、関係者でいられたことを誇りに感じました。


振り返ってみても、予選8試合を戦った中で最も危なかったと思えるのは4回戦。
眞下くんに奪われた三振の数、12回までで19。安打はたったの2本。なのに得点3で勝利。

八千代東にとっても、東海大望洋にとっても、人生を左右するほどの一球、一戦となり、
見ている側としても大きなものを学ばされた試合だったと思います。

まさに「野球は2死から」 この言葉が身にしみる試合でした。


眞下くんが3年になった時がチャンスだと夢見てきたという東海大望洋。
あとアウト一つというところでその道は閉ざされてしまったけど、
先輩たちの思いを引き継いだ次の代は見事今春、選抜への出場を決めました。

これはうれしかったですね〜。

選手は痛感していると思うけど最後まで気を緩めず。また、最後まで諦めず。
甲子園で悔いのない試合をしてきてもらいたいです。


畠山 あい
トップ画面へ  コラム一覧へ

Copyright (C) 2005- CBT-10, All Rights Reserved.