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「反面教師J君」


今まで野球関連の話をしてきたので、今回は野球とは全く関係のない、大学で実際にあった話をしたいと思います。それは、ソロモン諸島からやってきた留学生J君のお話です。皆さん、ソロモン諸島ってご存知でしょうか?ソロモン諸島は、南西太平洋のニューギニア東方の100余りの島々で構成されている国で、その島ごとに言語があったり、人種が違ったりと、島国は島国でも日本とは大きく違います。そんな所から、J君はやってきたんです。

  J君との出会いは、2006年4月。彼は留学生としてうちの大学に1年間やってきて、俺は彼のチューターをやることになりました。初めて会ったときは、黒人でかなり体格がよかったので、正直ちょいとビビりました。ですが、その第1印象は次第に薄れていったのです・・・。

 事件が起こったのは、それから半年後の2006年10月。それまでも、チューターの時間に来なかったり、言われたことをやってこなかったりと、色々と問題はあったのですが、俺が注意するくらいで大きな問題にはなっていなかったのです。で、そのときに、何があったかというと、学会に参加するために留学生も含めてみんなで広島に行ったのです。その学会は2日にわたって行われたのですが、2日目の昼に事件が起きました、J君が姿を消したのです。みんな慌てて探しましたが、見つかりません。電話もかけましたが、全く出ません。J君ともう一人の女性の留学生はもう一泊して広島を観光する予定だったのですが、俺はこの日に帰る予定だったのでこれ以上待つわけにはいかないということで、宿泊先の東広島に戻り、帰る準備を始めました。すると、J君から電話が。
・・・・なんと、昼間から酔っ払ってました。

実はその日に西条というところで「酒蔵まつり」というのが開催されており、俺らに黙って一人で行って、酒を飲んでたらしい。先ほども言ったとおり、留学生の2人はそのあと広島で一泊する予定だったので、

「どーするんだ?」(in English)

と聞いたら、J君は

「直接広島に行く」(in English)

と答えました。しかし、彼の荷物は宿泊先に置いたまま・・。
そんな自分勝手なJ君の主張を聞いたもう一人の留学生の怒りが頂点に。
俺も映画でしか聞いたことなかったセリフを、言い放ったのです。
それは、

「Kill you」

静かに、低い声で、しかも何度も・・・。
その後、彼女は電話を切りました。

で、荷物が多く、留学生の彼女一人で広島まで持っていくのは無理だったので、東広島駅のコインロッカーに入れて、後で一人でJ君に取りに来させるように指示しました。
すると、もう一人の留学生とJ君が広島で合流した直後、J君がそのことに対して激怒していたのです。自分が悪いのに。
彼女に対して怒っていたみたいだったので、

「そんなに怒ってるんだったら俺に電話してこい。
ロッカーに荷物を入れたのは俺だから」

と、伝えてもらいました。
すると、全く音沙汰なし。
どうやら、後で聞いたところ、J君は俺にビビっていたらしい。
言い忘れましたが、彼は40歳くらい。その当時、俺は25歳。
いい歳して、一回り以上下の若造に怒られることすんなよ!と思いました。

しかし、これで終わらないのが、トラブルメーカーJ君。
次の日、もう一人の留学生と和解し、観光を楽しんだのはいいのですが、荷物をまだ取りに行ってなく、帰る日の夕方に一人で取りに行ったのです。

そしてその次の日、朝からある学校へ授業実践を見に行くため集合したのですが、前日に帰ってきているはずのJ君が来ないのです。
しばらくすると、J君から電話がかかってきて、

「今、新神戸です」(in English)

どうやら、荷物を取りに行くのを後回しにしたため、見事、前日の最終の新幹線に乗り遅れたそうです。
ホントにあきれました。

後でわかったことですが、ソロモン諸島での学校の授業は1時間遅れて始まるのが当たり前なんだそうです。
しかも、教師が生徒をひたすら待たせるそうです。
そんな、自由な国からJ君は来たんですね〜。

ですが、自分勝手な行動はしないこと、時間を守ること、連絡をすることは、非常に大事なことです。
これらが守れないことで、J君は実際に多くの人に迷惑をかけてしまったわけですから。
当然、我々も一人で生きているのではなく、社会の一員として生きているのですから、これらのことを守らなければならないことは当然です。
それを、J君は改めて認識させてくれました。
J君は、まさに反面教師としては100点満点の人物でした。
ありがとう!!

ちなみに、ご要望があれば、J君シーズン2をかきたいと思います。
ではでは。

よしと
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