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「いちばん有名な地球人」     諏訪部 恭一

★趣味★
 「趣味は?」と聞かれたら、「野球」?
いや、「野球」は遊びではないので、「映画鑑賞」と答えます。
しかもビデオやDVDでの鑑賞ではなく、映画館での鑑賞です。
「これは面白いに違いない!」と思った作品しか観ないので、平均鑑賞はだいたいひと月に1本のペース。
映画館のシートに身を沈め、少しずつ照明が暗くなり、スクリーンにCMや予告が映し出され、ド迫力の音響に包まれる・・・いやぁ〜、このときのワクワク感といったら、まさに至福のときですな。
ただし、そのあとに始まる本編が面白くなかったら、もちろん興ざめですけど(たまに予想が外れるので)。

★今年度ランキング★
 最近観た映画は、トニー・レオン(←やっぱり天沼さんは似てる)主演の香港映画『傷だらけの男たち』と、ディズニーピクチャーズ作品『レミーのおいしいレストラン』。
2本ともとても素晴らしい作品で、【今年観た映画ランキング】(今年はこれまで8作品を鑑賞)の第2位(『レミーの・・・』)と3位(『傷だらけ・・・』)になりました。
ちなみに4位以下は・・・
C『主人公は僕だった』、D『クレヨンしんちゃん』、E『ロッキー・バルボア』、F『ディパーデッド』、G『大日本人』。
では第1位は・・・?
そりゃあもちろん、成龍=ジャッキー・チェン主演の『プロジェクトBB』ですよ!
成龍がめずらしく悪役(?)を演じたこの作品も、やっぱり老若男女みんなが楽しめる一本に仕上がっています。

★宇宙でも人気者?★
 「武術とコメディの天才」と称される成龍(←「スィンロン」と読むのですよ)は、アジア各国ではもちろん、世界各国でも大人気。
その格闘技術は、ベニー・ユキーデをはじめとする本物の格闘家との格闘シーンで実証済み。
そしてコメディセンスは、無声映画時代に身体の動きだけで観客の笑いを誘った「B・キートンやC・チャップリンの再来」とさえ言われています。
 成龍作品に共通するのは、格闘シーンはダンスを舞うかのような仕上がりで残酷なイメージは皆無、さらにSEXシーンも一切無し。
アメリカでは、「ジャッキーの映画は、安心して親子で楽しめる」と、警察&教育関係者から絶大な支持を得ていて、ハリウッド映画界からは「世界一、愛される映画人」と言われているのです。
もし、宇宙人が地球人を密かに観察していたら・・・おそらく宇宙人たちの間でも「すげぇ地球人がいるぜ」、「おう、知ってるよ。ジャッキーだろ」、といった会話がなされているはず。
知能は発達しているものの体力が無く、さらにほとんど無表情の彼ら(宇宙人)にとって、成龍は憧れの存在に違いない。
つまり成龍こそ、“いちばん有名な地球人”なのです。

★その素顔は…★
 演じている役柄は、例外を除いてほとんどが強くて優しい善人役。
そして実際の成龍も、そういった役柄通りの人。
撮影の合間に率先して現場を掃除したり、共演者&スタッフの食事を作ったり。
ユニセフ親善大使を務め、さらに慈善事業基金に総資産の半分を寄付したり。
日本のバラエティー番組でタレントとゲームで対戦したときも、「こちらのほうが大切」とばかり、ゲーム中にファンサービスや裏方さんの片付けを手伝ってしまう・・・そんな人。(ゲームには負けてばかり)。
こんなナイスガイだからこそ、香港の人々は成龍のことを、“偉大な兄貴”という意味の「タイコー」という愛称で呼んでいるのです。

★映画への想い★
 「映画を観た人が喜んでくれるなら、アクションで怪我をしても構わない」と言う成龍ですが、今までに負った怪我の数はハンパではありません。
映画のエンドクレジットで観られるのは、『レッド・ブロンクス』での足首を骨折、『奇蹟』での瞼の裂傷流血など…。
いちばんの重傷は、なんと言っても『サンダーアーム龍兄虎弟』の撮影中に負った頭蓋骨骨折。
高台から飛び移った木の枝が折れ、数メートル下の石垣に転落した衝撃のNGシーンは、直視できません。
(タンカで運ばれる成龍を心配そうに見つめる、成龍パパの姿も映っています)

★香港映画人の情熱★
 そんな成龍と共演する香港の女優さんたちも、可能な限りスタントマンに頼らず、自らアクションに挑戦します。
『ポリスストーリー3』で、走る列車の屋根にバイクで飛び乗るアクションをやってのけたミシェール・ヨーはその筆頭。
過去4作品で成龍の恋人役を演じたマギー・チェンも、数多くのアクションに挑戦しましたが、『九龍の眼』の将棋倒しになる鉄枠の中を走りぬけるシーンで、鉄枠が頭に当たり大出血したNGシーンを観たときは、さすがにゾッとしました。
アジアのトップアイドル・ジリアン・チョンなどは、(アイドル歌手でありながら)身体中に擦り傷やアザを作ってでも笑顔でアクションに挑戦し続けるなど、その“役者魂”は日本映画界も見習って欲しいところ(無理か)。
しかし香港以外の外国の女優さんだと、アクションはトーンダウン。
『THE MYTH/神話』で成龍と共演した韓国No.1美人女優のキム・ヒソンも、果敢にワイヤーアクションに挑戦。
華麗に宙を舞うシーンでワイヤーに吊られた彼女でしたが、恐怖のあまり思わず涙(それを見た成龍は大笑い)。
そんな彼女ですが、成龍のことをとても尊敬しているし、なんといっても美人だから許します。

★本物の強者★
 『醉拳2』や『ポリスストーリー3』などで、成龍の敵役を務めたロー・ワイクンという俳優は、元キック・ボクサー。
彼は普段から成龍のボディガードも務める、本物の強者。
『スパルタンX』や『サイクロンZ』では、ひと昔前の格闘技界のカリスマ、ベニー・ユキーデが相手役を務めました。
成龍自身、「詠春(←「ウィンチュン」と読みます)」という武術を体得している格闘家でもあるため、やはり相手役も相当な“腕”の持ち主が必要とされるわけです。
 日本人格闘家・船木誠勝が、まだ本名の「船木優治」の名でリングに上がっていた頃、成龍とのエキジビジョン・マッチが企画されたこともあったのです。
東京ドームでの、初めてのプロレスリング興行の超目玉企画でしたが、さすがに実現にはいたりませんでした。
ちなみに企画したのは、こちらは“世界一有名な日本人”アントニオ猪木氏でした。

★悲しい事実★
 成龍の両親は共に再婚同士です。
共に連れ合いを【日中戦争】で(またはそれに関連して)亡くしています。
つまり成龍パパも成龍ママも、日本という国に対しては極めて良くない感情を持っている(持っていた)はず。
なのに最愛の息子が、香港以外の国で初めて人気者になったのが(1979年頃)、こともあろうにその日本だったという…。
現在、成龍パパや(天国の)成龍ママは、日本に対して果たしてどんな感情を抱いているのでしょうか。

★日本のファン★
 成龍が20代だった頃に日本での人気が爆発したわけですが、日本の女性ファンの熱狂ぶりにはかなり戸惑ったようです。
「成龍が結婚」というニュースが一部で流れたときは自殺者まで出たことから、結婚の事実は日本でのみ長い間隠されていました。

成龍と「ともだち」のツーショット

現在はファンの側も落ち着いた年齢になったため、成龍もリラックスして日本のファンと接することができています。
そして成龍の息子、ジェイシー・チェンのデビュー作『ツインズ・エフェクトU』(成龍との親子共演!)も無事に公開され、日本のファンを楽しませてくれました。
 成龍は、20年以上応援し続けている日本のファンを、「ファン」とは呼びません。
「ともだち」と、日本語で呼んでくれます。
そうなのです!
千葉ロッチの諏訪部は、成龍の「ともだち」だったのですゾ!


★8月25日公開!★
 成龍の最新作『ラッシュアワー3』は、ハリウッド製作の人気シリーズ3作目。
監督のブレット・ラトナーは成龍の大ファンで、成龍グッズならなんでも欲しがるほど。
相棒役のクリス・タッカーは、パート1から他の仕事は一切していないそう。
成龍との共演でギャラが大幅にはね上がったためか、もう成龍作品以外は興味が失せたのかな?
そんな最新作『ラッシュアワー3』は、8月25日公開!!!

★ハリウッドが、韓流が、ひれ伏す!★
 最後に、偉大な成龍を生み出した香港映画から、オススメの3作品を紹介。
 まず成龍作品では、香港映画界が結集して作り上げた『NEW POLICE STORY』。
シビアなストーリー、悲恋、涙・・・そして超絶アクション、ボクは映画館で7回観ました。
 そしてトニー・レオン(←天沼さんではない)とアンディ・ラウ共演の香港ノワール大傑作、『無間道/インファナル・アフェア』。
運命に翻弄された男たちの物語に、香港映画の底力を見せつけられました。
(ハリウッドでリメイクされた『ディパーデッド』は、ただのお下品映画に成り下がっていた)
 最後は、アジアの女性を号泣させた『星願』。
盲目の(言葉も話せない)青年と、看護士のピュアなラヴストーリーに、ただただ涙・・・。
※どの作品も、絶対にオリジナル音声(字幕スーパー)で鑑賞してくださいね。


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